概要
VM1000は小型軽量な前方散乱式視程計です。本体はアルミニウム合金に塗装を施し錆びることなく、道路の視程管理をはじめ、様々な分野でお使いいただけます。前方散乱の原理を利用した視程計で、赤外光パルスを発し、大気中の浮遊粒子による散乱強度を測定しMORを出力いたします。
特徴
■視程計測範囲 10~10000m
■視程計測精度 10%(≤1500m), +20%(>1500m)
■トレーサブルな視程計測
■投光器、受光器にヒーター内蔵
■現場での校正に対応
■空気抵抗を低減する流線形デザイン
計測の仕組み
VM1000は散乱光を最適な角度(45°)でを測定します。送信光路と受信光路の交点がサンプリングエリアです。
このエリアに入射した赤外光は、空気中の浮遊(降水)粒子によって散乱します。散乱光は受信端の高感度検出装置で受信され、内部アルゴリズムにより視程値を演算します。

前方散乱式の利点
視程観測には多く分けて3種類の計測方法があります。下記に各機器の特徴を明記します。
1,透過率計 サンプルボリュームが大きく、光の減衰をダイレクトに計測するため、天候に左右されない、高精度の視程観測が可能です。しかし投光器と受光器の距離を必要とするため、設置場所はある程度の広さが必要です。また比較的価格は高価になります。視程精度を重視する空港での視程(RVR)の計測に使用されます。(日本国内の空港では前方散乱式が採用されています)
2,前方散乱式 投光器からの光の散乱を前方に位置する受光器で計測します。散乱光は降水粒子により散乱方向に違いが出るため、散乱光を計測する角度が重要になります。WMOでは35度から50度での範囲を推奨しています。天候の違いにより粒子の散乱光の方向を考慮した設計及び計測アルゴリズムが重要になります。投光器と受光器の距離が近くて済むため、コンパクトな設計が可能です。また透過率計に比べ価格は安く、現在最も多く使用されている視程計測方法となります。
3,後方散乱式 投光器からの光の散乱を投光器の横に位置する受光器で散乱光を計測します。設計はコンパクトにできる反面、天候に違いによる各粒子の散乱光の方向の最適な角度での計測ができないため、天候により精度の違いが出てしまいます。価格は比較的安価に提供できます。
仕様
スクロールすることができます
型式 | CZG-VM1000 |
測定範囲 | 10~10000m |
測定精度 | ±10% (≤1500m) , ±20% (>1500m) |
分解能 | 1m |
データアップロード間隔 | 10~60秒 |
使用温度範囲 | 温度:-40~+60℃ 湿度:0%RH~100%RH(結露ないこと) |
電源 | 12VDC |
消費電力 | <10W |
出力 | RS485/232 |
IP | IP65 |
寸法 | 465mm×277mm×53mm |
重量 | 2.6kg |



CZG-VM1000外観
①専用金具により、U字ボルトでポール取り付け及び40mmX40mmの規格角パイプが使用できます。
②内部ヒータにより内部結露の防止、及びフードへの加温が可能です。
➂LEDでの機器状態表示が可能です。用途によりLEDはOFFにもできます。
④ケーブルは付属されます
⑤フード内の光の反射を最小限にするため、艶消黒のレンズフードでフード内部は迷光防止リブ加工されています。
校正
VM1000はメーカにて専用の人工的にMORを変化させることができる校正装置にて校正後出荷されます。フィールドでの校正にも対応し、校正ガラスにより現場での校正が可能です。校正ガラスはヴァイサラ社のPWDシリーズの校正ガラスと互換があります。
